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空と人間が大好き! どちらも変わりやすいもの。だからこそ一瞬を見逃せない☆ そんな小さな幸せに気付き始めた今日この頃。 どなたでもコメント歓迎です♪ 足跡あれば辿ります☆
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SSです
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全てがいきなりだった。



「贈り物」

「ただいまー!」
僕は帰るなり鞄を玄関に投げ捨て家を飛び出した。友達のユウタと遊ぶためである。
「シンゴー?」
ママは声だけの僕へと呼び掛けた。その頃僕は足早に学校の校庭へと向かっているのに。
「…全く。また鞄置きっぱなし。」
ため息をつきながらもママは、いつものことと鞄を持ち、リビングへと戻った。

「今日なにして遊ぶー?」
「サッカーしようぜ!ショウゴもケンタもいるからさ。」
「いいねぇ!!」
そんないつもの会話をしながら僕はユウタと走って学校へと向かった。頭ん中はもう遊ぶことでいっぱいだ。家のことなんてこれっぽっちもなかった。


僕にはユキという妹がいる。
まだほんの3歳の小さな妹だ。
僕が学校へ遊びに行く時、時々ママがユキを頼む。僕は最初渋るのだがママの雷とお決まり文句には叶わない。
「お兄ちゃんでしょ?友達ばっかりじゃなくてユキとも遊んであげなさい。」
「……わかったよ。」
仕方なく僕はユキを連れて学校へと戻る。その時のユウタ達の顔といったら。
「えーユキちゃんも?」
「じゃあ何して遊ぶんだよ。」
「ごめん…ママがどうしてもって。」
ママは知らないんだ。僕がこんな風に文句をまた言われていることを。だから最近はママに捕まる前に家を飛び出す。そうすれば僕はママの文句からもユウタ達の文句からも、ユキの面倒からも解放される。
僕らは辺りがすっかり暗くなるまで遊んだ。ボールを追いかけ、笑いころげながら。いつものように…―
「ただいまー。」
誰の声も気配もなかった。
家の中はがらんとし、奇妙な静けさだけが漂っている。
「ママー?パパー?ユキ?」
誰一人として返事がない。僕は奇妙な焦りと不安を抱いた。小走りにリビングへと向かうと、暗い中電話の留守電の部分だけがやけに光っていた。
僕は恐る恐るボタンを押す。

ピー。伝言が一件です。
冷たい機械の声。後に続くようにパパの声がした。
「…ママが倒れた。テーブルに地図とお金があるからすぐにそこへ向かってくれ。」
ただそれだけを告げると、電話はブチリと切れた。
その音と共に僕の頭の中も止まった。
「え…ママが?ママ!?」
手は震え、僅かに動いた足はリビングのテーブルへと向いた。
病院を記した地図であろう。横に置かれたお金を握り締め、僕は考えるよりも先に走り出していた。

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【2006/10/25 00:20】 | 物語 | TrackBack(0) | Comment(0) |
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